群馬県の専修学校・各種学校のご案内

事業のご報告 report

2024.03.25 研修事業

R5年度教職員研修がR6年3月18日(月)に開催されました。

今年度最後の研修は『発達障害とグレーゾーン』シリーズ②として、
12月の教員研修でも大好評でした臨床心理士の樺澤徹先生をお迎えしました。

 

 

 

スクールカウンセラーで臨床心理士の樺澤徹二講師。優しく温かく、参加者の悩みや苦労にいつでも寄り添いながら導いてくださいます。

 

 

今回の研修では「発達障害の理解と対応」と題し、前半部分では講義を中心に、後半部分では事前に樺澤講師より要望があった
『できるだけ隣の席は同じ学校同士にならないように配慮してほしい』との意味がここで活かされ、
同じテーブルで隣に座った会員校同士で教職員と学生に分かれ個別指導のロープレを行いました。

 

樺澤講師の講義は、穏やかな中に熱い信念を感じます。参加者の皆様も集中して聴講しています。

 

現在、または過去にかかわりを持った学生を思い浮かべながら『自閉症スペクトラム障害の基本症状』並びに『注意欠陥・多動性障害(ADHD)』について困難さの度合いをチェックしています。

 

隣同士イスを向かい合わせて教職員と学生に分かれた個別指導ロープレの様子。出席者の皆様のスイッチが入り、教職員役の方々は配慮しながら笑顔で学生役の皆さんに寄り添っています。出席の皆様のさすがのコミュニケーション力には圧倒されました。研修委員の先生方も「素晴らしい!」「非常に興味深い!」と終始大絶賛していました。

 

また教職員の皆様の中から何組かが選ばれ、個人面接への誘い方や個別面接の実習も行われました。
発達的特性のある学生への配慮した点(安全・安心できる状況の確保や信頼できる相手と認識してもらえる声掛け 等)に気を付けながら、実際の経験を交えつつ行っていました。

 

個人面接への誘い実習①。安心できる距離を保ちながら、学校生活の過ごし方に難しさを感じている発達的特性のある学生にたまたま校内ですれ違い話しかけ、個人面接に誘うというストーリー。教職員役の先生は優しく配慮のある話し方で学生を安心させ、無事個人面接へ誘うことができました。

 

個人面接への誘い実習②。すっかり自信を無くしている学生にそっと寄り添い面接へ誘います。学生役の先生の表情や口調が大変リアルです。また教職員役の先生も時折手を添えながら穏やかに接している様子は、「この先生なら耳を傾けてくれるかもしれない。」と学生を安心させきっと信頼を得るはず、と樺澤講師も絶賛していました。

 

個人面接の実習①。生徒同士のトラブルや習得科目の難しさから目標を見失った学生に対して、まずは学生の発言を受け入れ否定をせず、同調しながら学校へ通いやすい道を模索する教職員役の先生。樺澤講師からも「この先生は無理に相手の気持ちを変えようとせず、自然に湧き出ている気持ちを上手に受け取っている。それが気持ちに寄り添うということである。」と感心していました。

 

個人面接の実習②。「学校を退学してホストになりたい。ホストは自分には向いている。ナンバー1になるんだ!」と決意の固い学生。この事例は実際にあったそうで、樺澤講師は「このようなことも往々にしてあるパターンである。入学当初の目標を見失いなってしまった学生に対して、教職員側も学生の発言を否定せず受け止めながらも相談に乗っている。学生も聞いてもらえてきっと安心したと思う。」とお褒めの言葉をいただいていました。

 

更にスーパーバイザーの樺澤講師が、教職員の悩みにこたえる実技を披露してくれました。

樺澤講師の面接を受ける参加者。樺澤講師の面接は意外にも問題の解決方法のアドバイスではありませんでした。相手の発言を受け入れ悩みをききながら寄り添い、相談者の発言を繰り返して一緒に解決方法を考えてゆく。樺澤先生の穏やかな言葉に、相談者はどんどん悩みを吐露してゆきます。文字では決して表せない貴重な体験を共有しました。

 

最後に事前提供いただいた事例について、樺澤講師より何例の解決案や考え方を述べていただき研修は幕を下ろしました。
4時間超に渡る長い研修でしたが、15分ほど時間延長をして参加者の質疑応答にこたえていただきました樺澤講師には心より御礼申し上げます。
このテーマはなかなか答えが出ません。悩んでいる・困っている教職員の皆様も多いと聞いています。
群専各連では次年度も引き続きテーマ「発達障害とグレーゾーン」を掲げ研修会を予定しています。
また他のテーマにつきましてもご提案ごや要望がありましたら事務局までご連絡願います。
ご参加の皆さまお疲れ様でございました。次年度もよろしくお願いいたします。